2013/08/31

月報9月号 熊本るうてる


9月 「あなた方に平和があるように」(ヨハネ福音書2021)

 今年の日本の夏は、観測史上一番の「暑い夏」でした。あまりの暑さに、体の動きも、やる気もなえてしまうこともしばしばありました。皆さんは、いかがでしたか。そんな時に、「いつやるか」「今でしょ!」ということばを、子ども、若い人たち、大人からも、耳によくしました。流行語として、ブレイクしたんですね。私なんか、「確かにねぇ、今やらないと先に進まないしね」と、後ろから押されるように、生活に励んだのでした。


英語のことわざに、「今日しなければならないことを、明日にのばすな」“Never put off till tomorrow what you can do today.”というのがあります。能率と効率を求める社会では、全くその通りで、今やらなくて、どうして目標が実現できるのかという叱咤激励の言葉が響いて来そうです。夏休みの宿題を終わらないで、焦る気持ちだけが残った小学校の時を思い出します。

この逆の表現のことばがあるのをご存知ですか。

クリスチャンであった遠藤周作が、「ぐうたら人生入門」で、「明日しなければならないことを、今日するな」というのを。これは、トルコのことわざだそうです。

ことばが、「明日」と「今日」とが入れ違っただけで、前者は、世の中の人々が努力して追及していく生活態度を感じさせますし、後者のトルコの言葉は、ゆったりとした自然の流れに沿った言葉です。いい加減で、ずぼらな生活態度とも受け取られないのですが、何となく、包み込まれる安心感を与えます。

私が若かった時は、前者の言葉で生きていたと思います。そして、だんだん年を重ねるうちに、後者のようになってきた感じがします。また、それぞれ人間が生きている時代へも、生き方の、時間の使い方へも反映させられるでしょうね。

イエスさまにつながって私たちキリスト者は、ゆったりとした落ち着いた日々生活を送っていきたいものだと考えます。 感謝をもって、喜んで生きるには、どう、「今」という時間と向き合い、これを、捉えっていったらいいのかを考えてみたいものです。
杉本洋一